戦いの最前線にシャナが躍り出た時、彼女の傷は桜色の文様が浮かぶ包帯によって覆われていた。
時とともに傷を広げていく自在法『スティグマ』。誰もが破れぬと思っていたその自在法は、幾たびにも渡る戦いの中、ひとりの有能な自在師によって完成の域まで練られ、今の戦いで完成を見たのだ。
だが、サブラクの驚きはそこで終わらなかった。
ザロービが現れた時からあり、彼との戦いが終わった後でさえ消えなかった違和感。ヴィルへルミナがひとりサブラクの相手をしている間、その正体に悠二は着目し、考え、結論を得たのだった。
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